心理的安全性とルール
2023-02-10
通勤中にニュースをチェックしていて、「リモートワークが可能な求人案件がこの3ヶ月で半減」という記事が目に入った。
Indeedの調べるによると、同社の求人サイトに掲載されている求人案件のうち、
テレワーク可という求人が昨年10月以前には7.5%超だったのに対して、
12月には3.5%に減ったということだった。
確かに、弊社の取引先の企業様でも、今年から週2日もしくは3日は出社するように
方針が変わったというところが増えた。
さらに興味深いことに、別のニュース記事だが、とある調査会社の調査結果で
テレワーク中に60%以上の人がサボったことがあると回答し、
90%以上の上長がそれを「黙認している」と回答しているらしい。
出社日数を増やす理由は、リモートワークでは人間関係を築きにくい、
あるいはカクテルパーティー効果などがもたらす偶発的アイデアが減少する、
などの理由があるのだろうが、心理的安全性が保たれず、
やむを得ずルールを設けて部下を管理せざるを得ない状況になっている
というのもまた事実だろう。
世界で見ても、TwitterのCEOであるイーロン・マスク氏も、
最低週40時間は出社するように言っており、さらにパフォーマンスが良くない部下の
リモートワークを認めた管理職は解雇すると通告していたりもする。
ルールは何故できるのか?
モラルを守らない人がいるからである。
すべきことをしない、基本のホウレンソウを怠るなど管理の問題だけではなく、
そういった秩序のない社員は、周囲に悪影響を及ぼし、ひいては会社に直接的損失を与えかねない。
本当は会社もたくさんのルールなんて作りたくはないはず。
しかし、ストレスから逃げたい、しんどいことはしたくない、苦悩から逃げたいと思うのが人。
ルールを作らざるを得ない状況を実は自分たちで作ってしまっているといえる。
必要なのは、心理的安全性のある働き方である。
約束を守ることなど当たり前のことを当たり前にできること、主体的に考え工夫ができること、
自分のためだけではなく周囲と組織のことを考えて行動することができること、など
「この人なら信頼できる、大丈夫」と周囲の誰もが思えるような働き方。
そして、最も大事なことは、モラルを守れていない事を注意し合うことができる風土であると思う。
嫌なことを指摘するなんて、面倒なことに巻き込まれたくない、嫌われたくない、
そんなの管理職の仕事で自分の仕事じゃない、
そう言っていられるだろうか。
モラルを守れない人が、10人のチームのうち一人だったら何とかなるかもしれない。
でも「あの人もこうやってるし」と二人が三人に、三人が四人になったらどうなるか?
もはやルールを作り、統制を図っていくしかない。
そんな窮屈な組織にしている責任の一端を担っていると言えるのではないだろうか。
逆を言えば、ルールがなくても機能する組織にできるのも、自分であるということ。
とは言え、自分一人だけでは難しい。
組織の中で、真の心理的安全性とは指摘し合える組織であるという共通認識が必要である。
そんな組織を目指し、今日も皆で奮闘している。
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