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知人と孤独

2021-05-16
内閣府が行っている国際比較調査で、
日本の高齢者の約3割が「親しい友人がいない」と回答しており、
調査国4カ国(日本・米国・ドイツ・スウェーデン)の中では
最も多かったという記事を目にした。
※調査は、昨年12月〜今年1月に60歳以上を対象として、約5千人が回答している(うち日本人1367人)
新型コロナウイルスによる自粛生活が続く中での調査期間だったこともあって、
人間関係についてより敏感な時期だったことも結果に現れていそうだ。

「なんだか寂しい状況だなぁ」と思いながら記事を読みすすめると、調査の設問では、
「家族以外で相談や世話をしたり・されたりする親しい友人がいるか」という
問いかけであった様子。・・・えっと、相談したり・されたりはあるとして、
世話をしたり・されたりするような友人は自分もいないかもデス・・。

真面目に考えはじめると結構悩ましい。
そもそも「友人」という言葉の定義も人によってばらつきがある。
今回の調査では、「世話したり・されたり」の関係とされているので、
かなり限定的なシチュエーションをイメージしてしまうが
個人的な見解として、他国よりも日本人の方が
友人を細かくカテゴライズして捉えているように思う。
「友人というほどでもない知人」「親友ではなく友人」「会社関係」「子供関係(ママ友)」等、
今では、SNSでの繋がりなどもあり、アンリアルな世界にも関係が広がるため、
無意識に人とのつながりに線引きをしているのかもしれない。

話をもっと身近なところにおいて考えてみると、
例えば「腹を割って話す」「喧嘩して仲が深まる」などの表現にあるように
自分の本心(に近いところ)を見せて初めてお互いを理解し、
その過程で徐々に「心理的安全性」が醸成されるという感覚があった。
しかし「個性を重視する」という風潮が強くなったころからか、
自分は自分という考え方から他人に関心を払う事の意味を見出しづらくなり、
転じて自分のこともあまり話したがらない人が増えたように思う。
さらに厄介なことに、今は「◯◯ハラスメント」を過度に恐れたり、
リモート中心の世の中になりつつあるので、他者に触れる事、
関わること自体を避けたい気持ちも強くなっている。
その結果、そもそも距離を縮めようとする力が発生しなくなり、
「同じ釜の飯を食う」感覚は見出しづらくなっているのが現状だろう。

しかし、人は人に関わっていかなければ生きていけない点は今も昔も変わらない。
そう、孤独な老人にはなりたくないし、孤独な老人を減らせる世の中であってほしい。

老後に限らず、狭い世界の中で限られた価値観に身を置くことに固執すると世界は広がらない。
色々と経験を積めば積むほど、新しい一歩を踏み出すのはしんどいものになるのだが、
それでもなお、新しい出会いを楽しむ力と行動力を持ちたいと思う。

マジョリティとして「未来のために今を犠牲にする」という感覚が是とされてきたが、
今の友人を大切にすること、家族を大切にすること、他人に親切にすること、
隣人に挨拶すること、他人の趣味に興味を持つこと、新しい出会いの場を探すこと・・・
「今を大切にすることが未来につながる」という感覚が現代の正しいスタンスだろう。

コロナ禍で物理的なディスタンスは必要でも、心のディスタンスは縮めていこう。
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