FC2ブログ

記憶の宮殿

2016-08-29
先日、世界記憶力大会のチャンピオンがプレゼンターとしてTVに出ていた。
内容としては、もともと記憶の天才たちを取材する側だったのに、
いつの間にか記憶術をマスターしてチャンピオンになってしまった経緯、
いわゆる普通の人である自分が、そのメソッドをマスターして
驚くべき記憶力を発揮できたのだから、だれでも記憶の天才になれるという話だった。
最後に、チャンピオンはスマホと一日中対話している現代人に対して
下記の様な警鐘を鳴らしプレゼンを終えていた。

「記憶は私たちが何者であるかの証となるものだ。
目の前の出来事や人に集中せずにスマホに夢中になり失うものは大きい。
それは、自分自身の存在意義を薄くしている事に他ならない。
思い出深い人生にするためには記憶が大切だと、ぜひ記憶しておいてほしい。」

このチャンピオンが紹介していた記憶術は「記憶の宮殿」と呼ばれるもので、
数ある記憶術の中でもかなり歴史が古いものだ。まず、頭の中で大きな建物を
想像(自宅など慣れ親しんだ場所がいい)して、各部屋や廊下などに
覚えたいもののイメージを配置する。配置する時のイメージは異常で、不気味で、
卑猥で、不快なものであるほど忘れにくくなるらしい。
人間の脳は、自分にとって全く関係のない(意味のない)言葉は記憶が困難であり、
何かしら、既に頭の中にある物事と「リンク」させ、
意味あるものへと変換する事ができると長期にわたりその記憶を保存できる、という事らしい。
これが、記憶の宮殿の概要である。

実際にTVで観た大会の様子はすさまじく、その記憶力には脱帽の一言だが、
いつでも外部記憶装置であるスマホ等から情報が取り出せる現代で、
自分の脳に情報をインプットする記憶術にいったいどのくらいの値打ちが
あるのだろうか、とも同時に考えてしまった。

実際に記憶の宮殿を見様見真似でやってみると、記憶力の成果以上に、
「自分の脳を使っている」「自分が集中している」という実感が得られる事に気づく。
言葉で表現しづらいが、それがすごく新鮮で、心地よい疲労感をもたらすのだ。
思うに、それくらい普段の生活には情報が溢れており、時間に追われる事で、
次から次へと何かを処理していく「作業化」が過度に進んでしまっているのかもしれない。
記憶力チャンピオンの警鐘が自分自身にも当てはまる事が良く分かった。

つまるところなんでもそうだが、依存するほど常習化したらそれは害なのだ。
スマホ然り、ウィキペディア然り、あるいは会社に出入りしているコンサル然り。
便利なツールに囲まれ過ぎて、最も身近なツールである自分の脳を使って、
何かにじっくりと向き合う時間が少なくなっているのだ。
そうなると、答えを自分以外のどこかに求める思考に支配されがちである。
「何かいい答えが落ちてないかな?」そんな感覚が常態化しているなら、
それはあなたの思考放棄の症状が相当進行している証拠かもしれない。

そんな時、古代ギリシア時代に生み出されたこの記憶術は、
古典でアナログな手法の代表ではあるが、デジタル時代の心強い味方になってくれる気がする。

「記憶の宮殿」はリンクが重要、ということなので下記リンクを張り付けておきました。
ぜひ、その一端に触れてみて下さい。
https://www.ted.com/talks/joshua_foer_feats_of_memory_anyone_can_do?language=ja(TED)
スポンサーサイト



tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://corejp.blog.fc2.com/tb.php/250-8dfea495

<< topページへこのページの先頭へ >>