応援者の作法
2016-04-26
少し前の新聞の記事で、「子供の就活に干渉しすぎる親」について書かれたものがありました。
「有名な会社がいい」、「地元にしろ」、「営業はきついからやめとけ」等、
一方的な価値観を押し付けたり、もっと度を越してしまうと、
面接に親が同行したり、人事に親が電話して福利厚生を確認したりなど、
「本気ですか?」と突っ込みを入れたくなる様な過干渉の例があるようです。
親が子供を思う気持ち、というのはいつの時代も貴いものだと思いますが、
ここまでくるとさすがに逆効果になるのは、冷静になれば誰でもわかるはずです。
それでも、我が子の事となると止められない。
最初は良かれと思っているのに、最後は自分の思い込みやエゴで子供を操る
という結果になってしまう。
「あなたのためにやっている」と思うから、自分ではとても気づきにくい。
人材のコンサルタントにも同じ様な事が言えます。
数々の転職者様の悲喜こもごもを、幾度となく目の当たりにすることで
その疑似体験をしている様な面があります。
そのため、職種や業界、年齢や転職回数という属性を見ただけで、
何でも分かっている様な錯覚を起こしがちです。
結果、本人の気持ちを無視したお仕事の提案をしてみたり、
字面だけを合わせた表面的な話に終始してみたり…。
「コンサルタント」として積極的に関与する立場ですので、
その結果たるや、前述した親御さん以上に
非常に恐ろしいものになる可能性があります。
しかし、やはりこれも自分では気づきにくいものなのです。
結局のところ、第三者ができる最も効果的なサポートは、
人と接する上での「作法」を伝える事である気がします。
誰しも他人の事は見えても自分の事には気づきにくいと思います。
だからこそ、自分がされたら嫌な事は他人にもしないという様な、
当たり前だけど普遍的な原理原則を実践できるかどうか。
それがひいては、「一緒に仕事をしたいと思ってもらえるかどうか?」
という他者からの評価につながっていくのだと思います。
私たちも人材コンサルタントとして、転職の作法について
厳しく説かせていただきつつも、自らも応援者の作法を守り、
過干渉ではなく良き伴走者であることに努めてまいります。
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