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優しさという悪

2024-02-16
連休中に目立ち始めた白髪を染めるために美容院に行った。
しばらく美容院ジプシーだったが、その美容院へは3回目の訪問だった。

「今日はどうなさいますか?」という質問に、
伸ばし始めた髪型に飽きてきたため、思い切ってショートにしてもいいかも、
と思い立ったものの、さすがに躊躇し、
「実は、今のヘアスタイルに飽きてきてしまって、
切っちゃおうかなとも思ってるんですけど・・」と控えめに相談。
すると、「うーん、今は丁度髪が肩につくので、鬱陶しく感じる時ですねぇ。
短くしても良いと思いますし、お客様次第ですね~。」とのコメントが返ってきた。
いや、そりゃそうなんだけど、どっちの方が似合うと思いますとか、アドバイスを期待していただけに
自らの選択を迫られ、少しがっかりした気持ちになった。

その後、白髪を染めながら「優しさ」について考えていた。
私を担当してくださっている美容師さんは、経験が長いからこそ
もしかしたらこれまで数千・数万人の人を接客してきた経験上、
私のように「どうしよう」と迷っているタイプのお客は、
実は迷っておらず、すでに自分で答えを出しているパターンが多いので、
あえて「貴方次第」という返答をした可能性もある。
もしくは、思い切ってショートカットにしてしまってから後悔しないように、
自らが選択することの重要性を知っていたのかもしれない。

その方なりの気遣い、優しさだったのかもしれないが、
やっぱり私はプロとして見ていたからこそ、プロとしての意見を聞きたかった。
「貴方次第」という回答には「どっちでも良い」というようにも聞こえ、
勝手ではあるが、私にとってはその方が「頼れる美容師さん」ではなくなってしまった。

私たちの仕事においても起こり得ることである。
中には転職希望者の方から嫌われないように、「聞き上手」という言葉を隠れ蓑に、
耳当たりの良いことばかり言っているキャリアアドバイザーもいるのかもしれない。
しかし、それは「その人任せ」に過ぎないように思う。

キャリアアップやスキルアップを目指す上で不足している点や、厳しい現実も伝え、
その上で、どんな方向を目指すとよりやりたいことに近づけるか、
どんな風に視点を切り替えると世界が広がるかなど、
課題を見つけ、その課題解決のための提案をすることこそが、プロとしての私たちの役割だと思う。
一見「優しさ」に思えるものも、本当の優しさとは異なる場合がある。
一見「冷たさ」に感じるものでも、本当の優しさである場合がある。
「そこに愛はあるのか?」とどこかのCMでもあるように、
厳しいアドバイスだったとしても、そのアドバイスの分母に愛があるかどうかが、
優しさと冷たさの分かれ目なのではないだろうか。
プロとして愛を持ったアドバイスができるコンサルタントでありたいと思う。

さて、この美容院への4回目の訪問はあるだろうか・・・。
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目的意識の積み重ね

2024-02-02
毎年2月の上旬になると、
出勤中の電車やバスの車内に普段とは異なる雰囲気が漂う。

東京の近辺では中学受験と大学受験が2月の1週目から
本格的にスタートとなり、受験に向かう親子、
緊張した面持ちで単語帳を開く高校生
応援にかけつける塾の先生だろうか、
紙袋を持ちながらどこかソワソワとしているように見える。
多くの子どもたちがこの特別な数日間に向けて努力の日々を積み重ねてきたのだろう。

今は様々な受験スタイルがあるが、一般受験においては、
中学受験は12年間、高校受験は15年間、大学受験は18年間、
子供たちに与えられている時間は基本的にはほぼ同一であり、
その時点まででの学びが周りと比べてどうであったか、というものが受験であり、
それまでの時間の使い方が問われる日というのを
学習塾を経営する友人から聞いたことがある。

しかし、同じ時間を学習に充てたとしても、成果は異なり合否も変わる。
どのような気持ち、心構えで学習にとりくむのか。
いわゆる、モチベーションや目的意識の差が成果の差になるという。

学習の成果を質×量で考えた際に、受験勉強を始めた時期によっての差は
あるかもしれないが、究極的には生まれてから受験までの時間(=量)は
最大数百日の誤差はあれど、ある意味平等である。
量が同じだと考えたとき、違いを生み出す「質」は目的意識や目標
に由来するものであるということだ。
ただやらされる勉強よりも、目標に向かって自ら取り組む勉強のほうが質が高く
同じだけ勉強したとしたら、後者のほうが学力が伸びるのは容易に想像がつく。

受験においては、学習量の段階で差が出ることも少なくないのでは、とも感じるが
物事の質を高めるためには、目的意識が重要であることは長く社会人経験を
している私も同感だ。

日々の業務にあてはめて考えたときに、なんとなく過ごす8時間と
目的意識を持って過ごした8時間で成果は大きく異なるだろう。
1日では小さな差でも、1週間、1ヶ月、半年、と時間が経てば立つほど
その差は大きく膨らんでいく。受験も同じようなものなのだろう。

日々を漫然と過ごさないこと、目的意識を持って物事に取り組むことの重要性を
受験に向かう彼らを見ながら再認識した。
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