暗闇の象

2017-05-29
外国に、こんな例え話があるそうだ。
暗闇の中で、ある人が象の鼻を触り、「象とはざらざらして柔らかいものだ」と言う。
また、ある人が象の牙を触り、「象とは硬くてすべすべしたものだ」と言う。
他のある人が象の別の部分を触り、違うことを言う。
どれも象の一部だが、象の全体を表したものではない――。

この話は、いろんな解釈の仕方があるが、私は、
人間にとって、物事を認識することがどれ程難しいか、
「解ったつもり」を戒める話だと捉えている。

弊社にお越しになる方と、フェイス・トゥー・フェイスでのご面談をする際、
「求められる働き方」のようなお話をする機会が多いが、実に様々な説明が可能である。
組織に貢献する。全体の中における自分の部署や自らの役割を踏まえて行動する。
まず義務を果たす。多角的な視点で物事を見る。経営の観点を持つ。
効率、効果、生産性を高める。独自の取り組みをする。他部署と密に連携する。
突き詰めれば、どれも同じモノに達するが、表面上は違う。

ご面談にお越しになった方に、職務経歴書の修正を通じて、ご自身の歩みを
振り返って頂くと、「こういったことを大事にして働いてきたのか」と、
感慨深いご様子で、ご自分を再確認なさる方が多い。その場面に立ち会う度に、
人にとって、働くという行為がいかに意義深いのかを感じると共に、
また新たな「求められる働き方」のエピソードに触れ、新たな発見をする。

先程の象の例え話は、「解ったつもり」を戒めると共に、
「伝えたつもり」を戒める話でもある。
A、B、Cと、いろんな観点で話をして、伝えた方は自己満足、
聞いた方は「解ったような、解らないような……」という例が、世の中には実に多い。
人生の重要な局面に携わるキャリアコンサルティングで、そういった事態に陥るのは
本当に怖いので、モノをお伝えする際、いつも細心の注意を払っているが、
お客様から、明るい表情で「目から鱗が落ちた」と言われると、
ささやかではあるが、何かしらお役に立てて良かったと思う。

冒頭の暗闇の例え話だと、「象とは」がぱっと解るのは、光が差し込んだときだ。
どうすればいいか迷っている、という方に、微力ではあるが、
進む方向を照らして、指針を指し示すお手伝いをする――。
「言うは易く行うは難し」だが、そんなコンサルティングをいつも目指している。
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「意識の差」「情熱の差」「考え方の差」

2017-05-22
皆様、GWは充実したお休みを過ごされ、リフレッシュできましたでしょうか?
この時期、どうしても5月病などがクローズアップされますが
高い意識で働かれている皆様を想像しながら、
私自身も身を奮い立たせ業務に邁進しております。

さて、私もGWに帰省をしたのですが、
実家で旧友と時間を共有していた際に感じたことを
事例を挙げてお話をさせていただきます。

人材紹介のお仕事をさせていただいてから、
働く方の心情や境遇、取り巻く環境などを無意識に考える様になりました。
とりわけ、現在は売り手市場とも言われておりますが、
就職活動が厳しい時期もそうでない時期も、働き手の「意識」の違いが
最終的な結果を左右することに変わりはないように思います。

私は今年で29歳になりますが、同期の人間を考えれば
社会人経験は高校を卒業すると10年、大学を卒業するとすでに丸6年になります。
友人の一人は高校を卒業し飲食店の店員を経験し、一つのお店を任せていただけるまでになりました。
もうひとりの友人は高校を卒業し建設作業員を経験し、会社を立ち上げるまでになりました。
友人が偉くなっていくことは非常に嬉しいことですし、私のように東京に出て仕事をするより
地元を担うという意味では、彼らの仕事の方が意義深いとすら感じました。

人材紹介業に従事している私にとって、多くの旧友と時間を共有させてもらう時に
現場層と経営層の観点や視点が垣間見える為、非常に面白い会になります。

もちろん、彼らの就業環境や今現在置かれている立場や背負っているものは詳細には把握できていませんが、
同じ場所で育ち、境遇をともにしてきたことで「何が彼をそうさせた」のかを感覚的に捉えることはできました。

同じ環境で当時を振り返り、過去の立場と環境、現在の立場と環境、未来の立場と環境をイメージしても、
「ほぼ予定通りの未来だったのかな」「今の年齢ではそれなりに与えてもらっているかな」「これは自分でとりにいったな」
と本当にそれぞれの感覚は異なっています。とりわけ一番最後の「未来をとりにいって掴んだ現在を過ごしている人間」は
自信に満ち溢れ、ポジティブな発想をしており、エネルギーに満ち溢れていました。

やはり、単純なことではありますが、どんなことでも「情熱」を持って取り組む姿勢が一流にさせるのだと思います。

また、「考え方」が何よりも勉強させられました。
再会してないうちに彼らも多くの人に会い、多くの経験を通して修羅場をくぐってきたのでしょう。
物事に対する「考え方」のレパートリーが多く、「昔」では到底聞けなかった話をしてもらいました。

そんな彼らとの再会は私をすごく奮い立たせてくれるものとなりました。
私も負けないように「意識」「情熱」「考え方」を取り入れて業務に取り組む次第です。

若輩者ではございますが、事例を蓄積しながら皆さまのお役に立てるように業務に取り組んで参ります。
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ストラディバリウスの価値

2017-05-15
相場価値として10億を超えるとされるバイオリンの世界的名器、
「ストラディバリウス」の音色が、実は楽器屋で買える市販品とほとんど差が無かった――
そんな研究結果が発表された。

さすがに10億円となるとイメージがつかない額だが、何せ、相手は音である。
好きな人は好きでいいじゃない!と言う感じではある。
そもそも、何故このバイオリンが欲しいかと言えば、音の違いというよりは、
芸術品として所有する事自体に意味があるという側面が強いのだろう。
いわゆるブランドを身にまとう、という文脈で考えればわかりやすい。
こうすると、10億円がいささかチープな印象になってしまうのだが、
しかし、何かの力を借りるというのは決して悪い事ではないと思う。

例えば、昔の武家に生まれた男の子は元服する時に刀を与えられたらしい。
そこを起点に、子供から大人ひいては立派な武士に育っていくという考え方があり、
まさしく、モノを持つことで精神もそれに見合う形になるという一例だ。
名器を手にしたことの緊張感で音楽に邁進するなら、それはそれで立派だと思う。

会社でも、肩書やポジションを得た際に、その高揚感や責任感を大いに利用して、
しかるべき存在になれるかが働く者としての価値を表すことになる。
だから、ある意味ブランドだとか他人のふんどしも大いに結構で、
大事なのはその後、ということになる。
最終的に自分自身がブランドになってやるという気概がないと、
結局名前負けしたり、ライバルに足元をすくわれてしまうのだ。
バイオリンなどのモノと違って、肩書やステイタスを持つこと自体に
今の世の中はさほど意味がないのだ。

世界的に有名な彫刻家が創った希少素材のバットよりも、
イチローが素振りに使った用品店のバットが欲しい。
野球が好きな人間の心理はそういうものだと思う。
結局、物の価値はそれを持った人間によって決まるということだ。
部下から見て、自分も部長になってみたい、課長みたいになりたい、
と思われるような緊張感をもって、仕事ができているだろうか?
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人材紹介会社の介在意義

2017-05-08
先日、業界ではシェアトップクラスの食品メーカー様より
求人のご依頼を頂戴しました。

求人背景をお聞きしたのですが、他の紹介会社から紹介された方で、
中途採用した社員の方が数ヶ月で退職してしまったというものでした。
採用担当者様も時間と労力、コストをかけて行ったにも関わらず、
数ヶ月で退職してしまったことに、落胆の表情を隠しきれずにおられました。

その退職理由をお伺いすると、「社風に合わなかったから」というお話でした。

こういった退職理由の場合、紹介会社が、ご依頼頂いた求人案件において、
求職者様の「ご経験が合致していれば紹介する」というものが挙げられます。
これは当然と言えば当然かもしれません。
しかし、その一方で、求職者様のお人柄やお仕事に対しての考え方。
これからのキャリア(人生)を転職先でどのように築いていきたいのかという側面も
考えながら企業様をご紹介していくことも紹介会社には求められています。

前提として求職者様のご意向と企業様のご意向をお聞きしながら双方の成長に繋がるよう
お互いを良縁に結び付けることが我々のミッションではあります。
しかしながら、100%ご意向を叶えられるのかというと、
それは求職者様も企業様も完璧な存在ではないため、ギャップが発生してしまうことは否めません。
ですがご面談や選考過程でそのギャップについて、お話し合いを重ねながら、
求職者様に対して、企業様の事業の方向性や社風と言ったものが
今回の転職に求める方向性と合致しているかどうかを確認いたします。
また企業様にも同様の働きかけをしていくことで、ミスマッチを事前に防ぐことができます。
逆に、この基本的方向性の擦り合わせを行っていなければ、
ご入社した後に離職に繋がってしまう可能性が高くなります。

我々は企業様と求職者様に介在するうえで、
ご入社することをゴールとしているのではなく、
ご入社した後にご活躍頂くことは勿論のこと、
10年、20年と永く働きながらキャリアを積んで頂くことを
念頭にお話をさせて頂いております。

結果として、早期離職すると言ったケースは殆ど見受けられず、
寧ろ、求職者様からのご厚意により、お知り合いの方をご紹介頂くことに繋がっております。
非常に有難いお話で、冥利に尽きます。

これからも求職者様、お一人おひとりのキャリアと企業様の事業の方向性を
しっかりと見据えながら、お役に立てる紹介会社であり続けたいと思います。
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期待を裏切る事で裏切らない存在意義

2017-05-02
ラーメンが好きで、よく食べに行くのだが、
大きく分けると二種類の店があるような気がする。

いつ行っても味が変わらない店と、日によって微妙に味が違う店だ。
前者の良い点は、安定感があり、期待値を裏切らないといったところだろう。
味をいつも同じように保つのは、簡単なようで難しいので、
高度なノウハウを持っている、と言えるのかもしれない。

だが、個人的には、日によって微妙に味が違う店の方が好みである。
湯切りの微妙な加減が違って、今日は麺が硬いとか柔らかいとか、
仕入れる素材が普段と違って、今日は少し塩味が濃い、とか。
お店に行く度に、その変化を楽しんでいる。
これは、私が人材ビジネスをずっと続けている理由と通ずるかもしれない。

お客様の立場からしたら、わざわざ時間を使って人と会って、
「全部、予想の範囲内だった」というのでは、安心感はあるかもしれないが、
驚きや面白さとかの感動は無いだろう。
特に、相談しようとか、意見を求めて人と会うのなら尚更だ。
「ああ、やっぱりこんなもんか」ではなく、何かしら自分の想像を超えたり、
良い意味で期待を裏切られた…。そういうのを、人は求めているのではないだろうか。
少なくとも自分はそのように考えているし、だからこそ人は、
筋書きの無いスポーツ観戦などに、遠くまで足を運んだり、
楽しみにしている連続ドラマの展開を自分で見届けたい、と思うのではないだろうか。

モノ消費からコト消費、という最近のトレンドも、
感動とか面白さとか体験を求めているという点では、同じではないかと思う。

人材ビジネスを10年以上続けているが、1人として同じような人はいないし、
転職希望者とお会いして、全て予想通り、ということも無い。
反対に、転職希望者からしか得られない経験や概念等の情報等を共有させてもらっている。
その経験を通じて、自分も成長してきたし、自分自身、お客様とお会いするときは、
何かしら、相手の期待を超えるモノを必ず提供したいと思っている。

ご来社前は、「電話だけで話を済ませたい」と仰っていた転職希望者も、
フェイス・トゥー・フェイスのご面談後、「来て良かった」と言って頂けるのは、
そのせいではないかと思う。
これからも弊社やその「コンサルタントの○○さん」を通じてしか得られない、
気付きを提供できる存在でありたいと思う。
その為に、新しい切り口の提案を用意したり、業界外の人とお会いしたり、
いつもと違うルートでネタを仕入れたり、趣味から、仕事に通じる新たな発見を得たり…、
様々な取り組みを通じて、自分自身も成長し続けていきたい。
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