思わなければ何も始まらない

2014-06-09
今週末から、いよいよブラジルワールドカップが始まる。
オリンピックをしのぐ世界最大のスポーツイベントであるサッカーの祭典を前に、日本でもお祭り気分が高まっている。一説では経済効果として2兆円などとも言われているが、それはさておき、1998年以降日本は連続でワールドカップに出場しているので、4年ごとの恒例行事と言っていいくらい、一般的に定着したイベントになったと思う。私個人的には、ホスト国でもあり過去の自国開催時の敗北の呪縛から解き放たれたいとするブラジルに優勝してほしいと思っているし、それが大多数の思う順当なシナリオだと思う。もちろん、日本も応援してはいるが、そのレベルとしては「できる限り頑張ってほしい」というのが実際のところだ。ちなみに、とある調査によればブラジルの優勝オッズは4倍で出場国中1位、対して日本は126倍とのこと。スポーツの中では比較的番狂わせが起きやすいと言われるサッカーにおいても、さすがに現時点で日本の優勝を本気で応援している人はほとんどいないのではないだろうか。

時にサッカーは、戦術・戦略という文脈で語られるときに、ビジネスの世界と重ね合わせられることがある。サッカーは、監督からそれぞれ特定のポジションが与えられてはいるものの、場面や状況に応じて自らの判断で仲間との連携を変化させ、いかに敵のディフェンスをかわしていくかを考え出すことをその場で要求される、流動性の高いスポーツである。その姿に、めまぐるしい市場の変化の中で思考しながら差別化を試み、他社との争いに勝つこと、お客様に必要とされ続けることを追求する企業(ビジネスマン)と共通する部分があるということだろう。また、個性的な選手のマネジメントという観点から監督が経営者に近い存在としてクローズアップされる時もある。その世界で考えれば、日本はまだベンチャーから少し抜け出したくらいのステージにいる企業組織なのかもしれない。

ワールドカップの出場が決定してから、現在の日本代表の口々からは「出場するからには優勝」と本気で語られることが多くなった。これは、ミーティングや実際の試合の中で、本田という選手が一貫してぶれずに「優勝」という言葉を発し、時には仲間と衝突しながら醸成してきた効果が出た、勝負への高いマインドを表すものだと思う。はたから見れば、ビッグマウスと揶揄される事となったり、荒唐無稽に聞こえたり、もし惨敗を喫すれば嘲笑の対象ともなりうる、とても勇気と覚悟のいる発言だと思う。
 自分たちの今の立ち位置が列強には遠く及ばない事くらいは、何よりも選手たちが一番よく知っているだろう。それでもあえて、優勝杯を掲げる姿をイメージし、そのために思考し、練習を重ね、そしてアウトプットし続けていく事で彼らは自らの逃げ道を絶ってきたのだ。日本の代表としての期待を背負う事、自分たちがサッカーをやる事のそもそもの意味を彼らは自問自答し、4年間の集大成に臨む。

この、「本田効果」とも言える現在の日本代表のマインドや考え方は、上記した戦術論以上にビジネスやキャリア形成の考えた方に通じるものがあり、私自身強く関心を抱いた。例えば、「では、いつになったら優勝したいと発言していいのか?」という問いかけをしてみた時に、もっと実力がついてから、実績が出てきたらという発想になるのであれば、おそらく中堅国にすらなれないのではないか。あるいは、時に本田的な発言やキャラクターを前面に出し、周囲を引っ張ることを「私には無理」と遠慮するのであれば、絶対的なレギュラーとしてチームに必要とされることはないのではないか。

普段のビジネスの場面、会社での上司や同僚とのやり取りにおける自分自身の課題や問題点と重ねる事で、恐れずに「優勝」を口にする彼らが実に正しいマインドであると肚落ちした。仮に今すぐその目標が果たせないとわかっていても、それを志向すること、真剣に考えてみること、そして実際に口に出してみること、それこそがスタートラインである。それができない人材には、おそらく上に行くチャンスはめぐって来ない。仮に来たとしてもモノにすることはできないのではないか。また、小さい組織だから市場にインパクトが残せないわけではない。肩書きが無いからといって、人をマネジメントできないわけではない。自分の立ち位置を理由にして言い訳をしてみたり、「その日が来たら見事にやってみせる」と発言したりする人間のことを、だれが信用するのだろうか。一足飛びにはいかなくとも、自分の未来のキャリアを切り開くため、そして自らの成長を実現させるために、目指すべき高い目標を具体的にイメージして常にチャレンジしていくこと、その思いと積み重ねが何よりも重要だということだろう。

数字上の順位のみではなく、ワールドカップに臨む日本代表選手の思いの強さを感じながら、彼らの戦いをしっかりと見届けようと思う。
がんばれ、ニッポン!

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